代表理事 三浦 公嗣
栄養はすべての生物にとって生きるために欠かせない要素ですが、人々にとってはその摂取の手段としての食事は楽しみであり、国や地域にとっては文化でもあります。
当学会は、栄養ケアという観点から、食事や栄養が持っているこれらの価値を活かし、QOL(生活の質)を重視しながら、適切な栄養を摂取することができる仕組みとして「栄養ケア・マネジメント」という概念を構築し、診療報酬や介護報酬等に裏打ちされた栄養業務の実践を進めています。
また、充実した栄養ケアを提供するために豊富な実務経験を持つ「臨床栄養師」の養成をはじめとして、各種の研修会を実施しています。医師・歯科医師・看護師・管理栄養士をはじめ、栄養業務に携わるすべての皆様に当学会の活動にご参加いただきたいと考えます。
事務局長 小山 秀夫
研究者としての社会人第一歩が老人医療であったことから、老人保健医療制度から高齢者医療制度や介護保険制度研究に40年以上関与してきました。40年前、高齢者の栄養問題は、医学や栄養学というより高齢者の生活問題であり、一国のソーシャル・ポリシー(日本では「社会政策・管理」と訳されてきました)の課題であると、明確に認識しました。
それは、大学院生時代「老人の生活実態調査」ということで、各地の高齢者宅を戸別訪問したことが基盤になっています。「日に3度の食事を栄養バランスよく」というフレーズを何千回も聴きましたが、こんな簡単そうなことができなくなっている人々が多いのではないでしょうか。
こんなことを考えながら日本健康・栄養システム学会創設からお手伝いしています。わたしの夢は、認知症や障がいとともに暮らす人々の生活問題に対応する人々を陰ながら支え続けたいということです。もうすぐ支えられる側になることが確実ですが、学会員の皆様のご活躍が多くの人々に正当に評価され続けことを希望しています。